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呪い歯〜密九号の家

呪い歯〜密九号の家

口の中に薬を入れてくるお化け屋敷

老婆の歯に生えている一本の“ 黒い歯”。憎しみを持った一人の男がその老婆に与えられた“ 呪われた力” とは…? 口枷をはめられ、拘束衣を着せられた男の口に、カプセルを入れてきてあげてください。
 
けれど、もう一人・・・ミツの怨霊もいることを忘れないでください。
 
“ミツの呪い”が渦巻く「密八号の家」は、ホラープロジェクト「黒い歯」の一つです。ホラープロジェクト「黒い歯」の全貌はこちら
 
■公式ページ:「呪い歯〜密九号の家」


 

ストーリー

剣崎は、ある老人ホームに勤める寡黙で真面目な介護士だった。明るく老人たちに接する他の介護士に比べ、口数の少ない剣崎は老人たちからもあまり人気がなかった。ただ、屈強な体格のため、何かと力の必要な職場では重宝されていた。
 
剣崎は子供の頃に両親を亡くしていた。幼い妹の世話をしながら学校に通ったが、今ではその妹も成人していた。
 
ある日、その老人ホームに「シズ」という名の高齢の老婆が入所してきた。彼女はほとんど寝たきりに近い状態だったが、頑固で偏屈な性格をしていて、一切、薬を受け付けようとしなかった。介護士たちが話しかけても口をきかず、黙ったきり目を合わそうともしない。入れ替わり立ち替わり彼女に話しかけ、何とか薬を口に入れようとするのだが、すべて拒まれてしまう。
 
ところが、剣崎が彼女の前に立ったときだった。今まで一点を見つめたまま動かなかったシズの目がふっと動き、剣崎をみつめた。そして、彼が差し出したカプセルの薬に口を開いたのだ。何か、通い合うものがあったのかもしれない。
 
それ以来、シズの担当は剣崎になった。実際、彼以外の介護士の言うことは、一つとして聞こうとしなかったのだから、それは仕方のないことだった。
 
剣崎はシズに対して、他の入所者とは違ったある感情を抱いていた。彼は、シズの中に亡き母親の面影を見ていたのだ。それは、シズにとっても同じだったようだ。
 
シズの食べ物の嗜好は、周期的に変わった。ある時期はお粥しか食べないのに、別の時期になると肉やレバーペーストのようなものを猛烈にほしがる。シズの世話を続けるうちに、その周期がおよそ二週間おきで、月の満ち欠けに関係していることがわかってきた。彼女は、満月と新月が近づくと肉類を求めるようになるのだ。しかも、その時期になると体にも変化が訪れ、寝たきりのはずなのにベッドに起き上がったり、急に饒舌になったりするのだ。そんな時、剣崎はシズの若い頃の不幸な身の上を聞くのだった。それは、苦労して死んでいった母親の半生に重なるところがあった。
 
寡黙な剣崎も、シズと二人の時だけは、誰にもしたことのない自分の話をしたりするようになっていた。そこは、二人にとって、小さいけれど大切な日だまりのような時間だった。
 
ある夜のこと、いつもなら夕食には帰ってくる妹が、深夜になっても帰って来ない。心配していると、終電を過ぎた頃に、目を泣きはらして帰ってきた。理由を聞くと、つきあっていた男にひどい仕打ちを受け、挙げ句に捨てられた、ということだった。それ以来、妹は塞ぎ込む日が続いたが、剣崎は声を掛けてやることくらいしかできなかった。
 
普段なら絶対に話さないそんな話も、シズに対してだけは洗いざらい喋ることができた。シズは、自分の子供の話を聞くようにその話を聞き、涙を流した。
 
それから数日後に、妹は首を吊って自殺した。
 
その次の日、誰もが休むだろうと思ったが、剣崎は仕事に出た。というより、そんな時だからこそ、彼は職場に行きたかった。シズと話をしないといられなかったのだ。
 
その日は、満月だった。
 
ひととおり話を聞いたシズは、剣崎に自分の秘密を打ち明けた。
 
自分の口の中には、一本の黒い歯が生えている。それは祟りの歯だ。自分ではない、誰かの別の人間の強い怨念が、歯という形で自分に取り憑き、満月と新月の夜に、あらゆる者を憎み、妬み、怨んで、破壊してしまいたくなる。
 
もしお前が本当に、妹を死に追い込んだその男を殺したいと願うのなら、お前に強い力をやろう。それが、この黒い歯だ。
 
そう言って口を開けた。
 
シズの残り少なくなった歯の中に、黒い歯が見えた。
 
彼女に言われるがままに口の中に指を入れると、シズはその指を思い切り噛んだ。
 
剣崎は、その夜から高熱を出して寝込んだ。
 
やがて熱が下がる頃、剣崎は、自分の体の中に別の何かが住み着いているのを感じていた。二週間後の新月の夜、剣崎はまるで獣のように残酷に、その男を殺した。彼は、自分と自分の中にいる者の渇望が満たされ、大きな快楽になるのを感じた。
 
けれど、それで終わったわけではなかった。
 
二週間後の新月の夜、剣崎は自分の中に抑えることにできない獣がいることを感じた。夜の町に飛び出すと、何の関係もない女性の首を切り裂いた。悲鳴を上げて倒れたその女性は、妹とさして年齢が変わらなかった。
 
剣崎は苦悶したが、自分ではどうすることもできなかった。二週間後に、今度は老人を殺すと、その足で警察に駆け込んで、自分を捕まえてくれるように哀願した。
 
その後、彼は精神鑑定を受け、精神病棟に収監された。凶暴な患者のためしばしば問題を起こし、そのたびに口枷をはめられて拘束衣をつけさせられた。剣崎は、やがてその格好のまま、死んでしまった。
 
今でも、その病棟の奥の部屋には、口枷をはめられ拘束衣を着せられた剣崎の霊が現れるという。
どうか、彼の口にカプセルの薬を入れてきてほしい。剣崎がシズにしたように優しく。
 
そうすれば、きっと剣崎の荒ぶる怨念も鎮まるにちがいない。


 

PHOTO

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概要

タイトル 呪い歯〜密九号の家
URL http://hicbc.com/event/mitsu9/
場 所 若宮大通公園特設会場 (栄・矢場町交差点 名古屋高速高架下)
期 間 2013年7月12日(金)~9月8日(日)〔59日間:定休日なし〕
時 間 7月12日(金)~8月9日(金) 平日:17時~21時、土日祝:14時~21時 8月10日(土)~9月1日(金) 14時~21時 9月2日(月)~9月6日(金) 17時~21時 9月7日(土)、8日(日) 14時~21時
料 金 1,000円(税込)
所要時間
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