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闇化粧の家

闇化粧の家

私に紅を塗ってください…

死者の怨念が乗り移る、最後の晩の二人化粧。
死者の唇に口紅を塗ってくるお化け屋敷。
 
通夜の晩に死者に塗った後の化粧品を使うと、死者の思いが伝わってくると言われる、“闇化粧”という風習。朱音は死んでもなお、姉、瑞江の呪縛から離れられずこの家の中を彷徨っています。朱音の唇から瑞江の口紅を拭い、別の口紅を塗ってあげることです。どうか、その魂を救ってきてあげて下さい。


 

ストーリー

「闇化粧」という風習があります。
死者と二人きりの通夜の晩、死化粧を施した後の化粧品で化粧をすると、死者の思いが伝わってくるというものです。
死んだ者の思いを最期の夜に知りたいと願った人々は、誰にも知られないように、通夜の闇の中でそっと闇化粧をしたということです。
 
朱音と瑞江は、とても仲の良い姉妹でした。子供の頃からいつも一緒に遊んでいて、お互いの思っていることが喋らなくても伝わるような深い関係でした。
成人して百貨店の美容部員になった瑞江は、華やかな職場ながら奥手な性格が災いして男性と縁がなく、初めての恋に落ちたのは、随分経ってからのことでした。相手は、木口という男でした。
初めてのデートの時、木口は瑞江のつけていた口紅を、すごく似合っている、と言って褒めました。
それ以来、木口と会うときには、瑞江は必ずその口紅をつけて行くようになりました。
瑞江の一途な思いは強く、いつしかそれは束縛に近いものになっていきました。
つきあい始めて一年も経つうちに、瑞江は奇妙なことに気づきはじめます。彼女と会うときは必ず平日で、金曜日から日曜日に会うことは一度もないのです。
不思議に思った彼女は、金曜日の夜に木口のあとをつけてみました。
2時間ほど列車に乗って見知らぬ街に降り立った木口は、一軒の家に入っていきました。窓越しに見えたのは、温かそうなリビングで楽しそうに食事をする木口と、その妻子の姿でした。
次に会った時に、瑞江はずっと自分を騙し続けてきたことを激しく責めました。すると、彼の口から出てきたのは、謝罪ではなく彼女に対する非難の言葉でした。愕然とする彼女に、木口は別れ話を持ちかけます。
瑞江の一途な思いが息苦しくなってきていた木口には、絶好の機会だったのです。
その中の一言が、特に瑞江の心に強く突き刺さりました。
「いつでも同じ口紅ばかりつけてくるのが煩わしいんだ」
その言葉に、二人の心の違いが浮き彫りにされました。
深く傷ついた瑞江は、深い怨みを抱えたまま、その晩自ら命を絶ちました。
 
瑞江のお通夜の時です。瑞江の遺体の布団の隣に寝ていた朱音は、なかなか寝つかれません。何度も線香に火をつけ、そのたびに姉の顔を覗き見るうちに、あることに気づきました。
いつも姉から化粧をしてもらうばかりで、自分が姉に化粧をしてあげたことがない……。
そもそも姉は、人に化粧をするばかりで、人から化粧をしてもらったことがないのではないか。
今夜を逃すと、私が姉に化粧をしてあげられる機会が永遠に失われてしまう。
そう考えた朱音は、姉の鏡台からお気に入りの化粧道具を出してくると、瑞江の顔に化粧を施し始めました。その中に、あの口紅も入っていました。
死化粧を施し始めると、姉が自分にしてくれた時の遊びを思いましてきました。自分に塗った化粧品をそのまま朱音に塗ってくれる、そんな遊びです。
朱音は、夜中の薄暗い闇の中で、姉の死に顔に塗ったファンデーションを自分の顔に塗り、姉の唇に塗った口紅を自分の唇に塗りはじめました。
それを繰り返すうちに、姉と対話をしているような気持ちになってきました。姉の思いが自分に乗り移ってくるような感覚です。姉の悔しさや怨みが、自分の中に蓄積してくるかのようです。
それは、闇化粧という風習そのものでした。けれど、朱音はそんなことを知りません。
化粧をし終えたとき、朱音は姉の死が、姉の怨念が、化粧を通して自分の中に入ってきたことを知りました。
 
姉の怨念に取り憑かれた朱音は、木口に近づいていきます。
まず、木口の妻と娘に取り入り、理由をつけて二人に姉の化粧を施しました。瑞江の怨念が乗り移った二人によって、家の中は呪いに支配された不幸な空気に満たされます。
精神的に追い詰められた木口を、朱音は甘い言葉で誘惑します。朱音しか頼る者がいない、という思いから、木口はどんどん朱音に魅せられていきます。
そんな関係を作り出した末に、朱音はそのたった一本の糸を、もっとも残酷な方法で切ってしまいました。
絶望した木口はもう命を絶つよりほか、道は残されていませんでした。
 
怨みを果たした後も、朱音の唇から瑞江の口紅がすっかり落とすことはできませんでした。それは、朱音の体から瑞江が離れない、ということでもありました。
木口が死んだのに怨念だけが残り続ける、というのは、出口のない辛い状態です。
苦悶を重ねた朱音もまた、自ら命を絶ってしまいました。
 
けれど、朱音は死んでもなお、朱音は姉の呪縛から離れられずに、この家の中を彷徨っています。
彼女を救ってあげられる方法はただひとつ。
彼女の唇から瑞江の口紅を拭い、別の口紅を塗ってあげることです。どうか、その魂を救ってきてあげて下さい。
 

 

PHOTO

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概要

闇化粧の家

タイトル 闇化粧の家
URL http://www.f00-166.228.fs-user.net/pdf/201508okayamatakashimaya.pdf
場 所 岡山 タカシマヤ 8階 催会場
期 間 2015年8月5日(水)~16日(日)
時 間 午前10時→午後6時30分(午後7時閉場)
料 金 一般(中学生以上)800円、小学生以下400円
所要時間
Staff
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